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ミステリの祭典

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真贋
萩尾警部補シリーズ2

作家 今野敏
出版日2016年06月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 HORNET
(2016/12/10 16:01登録)
 目黒区で起きた窃盗事件。盗品以外は一切物色の跡がない現場の様子から、萩尾&秋穂コンビはすぐに窃盗常習犯「ダケ松」の仕業と見破る。しばらく後に、身柄を確保されたダケ松。だが、その様子に不審を感じた萩尾は、ダケ松が何かを隠していると感じる。同じころ、管内のデパートで陶磁器展が催され、その警備にあたることになった。そこでは、国宝・曜変天目が展示されるという。ダケ松の事案にあたるうちに、両者の隠されたつながりが明らかになっていく…
 萩尾警部補&秋穂コンビのシリーズ2作目。前作「確証」が非常に良かったため、文庫になるのを待ちきれずに単行本で購入したが・・・あっという間に読めてしまった。リーダビリティが高いともいえるのだが、厚みがなかったとも・・・
 盗犯捜査のプロ・萩尾の鋭い洞察がこのシリーズの胆であり、魅力でもあるのだが、推理→確定までがあまりにも一足飛びのような気がしてしまった。(前作「確証」で萩尾の推理は間違いないと証明されたから、確証は要らなくなった?(笑))抑揚のない捜査過程をだらだら書いてほしいとは思わないが、特にダケ松がに弟子をかばっているという読みや、八ツ屋長治とのつながりなどは、トントン拍子すぎる感じがした。
 真作と贋作の入れ替わりトリックは、そう難なく看破することができた。

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