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ミステリの祭典

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ミステリーの系譜

作家 松本清張
出版日1968年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 斎藤警部
(2016/11/15 00:39登録)
本の表題から受ける先入見とは大きくずれ、実際に起きた事件x3をクールな目線で語り尽くした内容。そこに敢えてこの題名を付したとあれば、何らかの創意工夫的「意図」の存在を感じずにはいられない。

闇に駆ける猟銃 / 肉鍋を食う女 / 二人の真犯人

冒頭作は、題名から察せられるかも知れぬが「八つ墓村」のモチーフというかインスパイア元となった「津山三十人殺し」の背景から後日談迄を冷静沈着、丁寧に敷衍したもの。余計な脚色は無し。記録文書の様なものだが清張の文章だから怖いこと苦いこと、ほとんどイヤミスです。

しかしね、こういう敢えて自論で踏み込まないドキュメンタリータッチでは意外とハッタリが効かないってか、むしろ(小説と同様)ハッタリ無しの横綱相撲で圧倒してやろうって企図なのかも知れないが、、もうちょっと味付けて欲しかったかもな。

他二作も程近い感触の力作イヤドキュメンタリー。いや最後の作だけちょっとあっさり味かな、内容は全く薄かァないんだが。
まあ、清張の長短篇をそれなりに数読んだ人向けでしょうなあ。

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