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ミステリの祭典

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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん5 欲望の主柱は絆
みーまーシリーズ

作家 入間人間
出版日2008年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2016/11/08 21:53登録)
〈僕の脳波と波長を合わせたように、思考が湯女の声と言葉に肉付けされて表に出る。救援と攻撃からかけ離れた、愉悦の落水はどこまでも中立だった。〉本文より抜粋したが、この文章をどれほどの人が理解し、作者の真意をくみ取れるのだろうか。この作品、いやおそらくこのシリーズにはこうした湾曲した、或いは迂遠な言い回しが多分にみられる故、初読の際には十分気を付けられたい。
さて、いよいよ事件も佳境に入り、探偵が真相を明らかにするが、「そんな馬鹿な・・・」というのが正直なところだ。しかし、そう思わせた時点で半分は作者の勝ちだというのは初めから決まっているようなもので、少なくとも私はしてやられたのだと感じた。
この動機の詩的さ、無意味さは『虚無への供物』以来の衝撃なのかもしれない。だからこれは、三大奇書に並ばせるわけにはいかないが、ある意味ではそれらに匹敵する怪作といえるのではないだろうか。

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