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ミステリの祭典

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共鳴

作家 イアン・バンクス
出版日1996年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2022/04/19 20:41登録)
全英で「ベストセラー・リストのナンバー・ワンに輝いている」そうですが、正直なところ前半はこれのどこがいいんだ、という感じでした。不満だったのは主人公の新聞記者キャメロン・コリーの一人称で語られる彼の日常です。巻末解説では「ゴンゾー(Gonzo、解説では「ならず者」と訳している)・ライフ・スタイル」としていますが、ならず者という積極的なワルではなく、単なる臆病なぐうたらです。そんな男が、酒を飲んで、マリファナをやって、パソコン・ゲームをして、自慰して、寝た、といったことをだらだら書いた日記にすぎないとしか思えませんでした。
まあ、原書ではYouの二人称形式で語られているらしいシリアル・キラー視点部分は、原文で読めば「犯人=読者」の味を楽しめたのでしょうか。殺人動機が誰でも思いつきそうなものなのが、かえって共感をよびそうですし、コリーが逮捕されてからはさすがにおもしろくなってきます。

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