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ミステリの祭典

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ミステリー・ウィーク

作家 ヘザー・グレアム
出版日2002年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/09/28 00:04登録)
(ネタバレなしです) ロマンス小説を創作の中心にして1980年代から活躍している米国のヘザー・グレアム(1953年生まれ)は100冊を超す作品を発表しているベストセラー作家です(米国の女優ヘザー・グレアム(1970年生まれ)とは別人です)。英語原題が「Never Sleep with Strangers」の1998年発表の本書はロマンチック・サスペンスでありながら本格派推理小説好きにアピールする内容も持っています。舞台はスコットランドで、秘密の通路のある古城、13人の容疑者(大半がミステリー作家です)、蝋人形の群れ、地下墓地、そして吹雪の山荘状態と何という古典的な設定でしょう。誰もが犯人の可能性を残しつつ最後に殺人犯が明らかになるというプロットは本格派の資格を十分に満たしています。本格派好きの私にとって残念に思うのは犯人を示す手掛かりや伏線がきちんと提示されておらず、犯人がある人物を襲撃することによってその正体が割れるという典型的なサスペンス小説的結末になっていることです(サスペンス小説だとわかって読む分には何の問題もありません)。とはいえベストセラー作家ならではの語り口の上手さであっという間に読み終えることができました。意外にもユーモア豊かな場面もあります。

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