愛の重さ メアリ・ウェストマコット名義 |
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作家 | アガサ・クリスティー |
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出版日 | 1973年06月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | クリスティ再読 | |
(2016/09/19 20:00登録) ウェストマコット6作の中で最後の作品。本作は話の枠組みとしては、ヒロインがヒーローにプロポーズされるところで終わるから、カタチとしては恋愛小説、ってことになるんだろうけど、読んだ印象はそういう感じじゃあ全然ない。どっちかいうと年の離れた姉妹の軋轢(でもないんだが..共依存?)みたいなあたりが印象に強く残る。 評者も実はそうなんだけど、人に何かされる、ってイヤなんだよね。他人にしてあげるほうがずっと気が楽である...そういう心理の話。実は評者の母親もそっくりな性格なので、親子でそうだといろいろややこしかったよ。愛する方より愛される方がずっと負担だ、と分かった末、ヒロインは「愛される」のをやっと受け入れるという屈折したあたり、ホント評者は身につまされるぜ。 本作実は殺人も一つ隠れているんだけど、全然これは主題じゃない。ミステリ色は非常に薄いけど、それでも「無実はさいなむ」の別バージョンみたいな話だと思う。クリスティの中ではホントにシブい作品だけど「無実はさいなむ」が気に入ったなら本作もおすすめ。 |