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ミステリの祭典

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ホームズ四世

作家 新堂冬樹
出版日2016年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 人並由真
(2016/09/14 18:00登録)
(ネタバレなし)
 新宿の大手ホストクラブ「ポアゾン」の№.1ホストである26歳の美青年・木塚響。
彼はかのベイカー街の名探偵の息子ランドールが日本に移住後、女性柔術家と結ばれて生んだ日本人・邦彦のさらなる息子、つまりホームズ四世だった。優れた頭脳と観察力を持ちながら、幼少の頃から曾祖父の伝説的な勇名を重荷に感じていた響だったが、ある日、彼の太客(お得意さま)である資産家の中年夫人・本宮加奈の姿が見えなくなる。成り行きから加奈捜索に動き出す響の前に現れたのは、ワトスンの曽孫を名乗る23歳の美女探偵・桐島檸檬。そんな二人の周辺に出没するのは、響の曽祖父の宿敵だった<かの大犯罪者>の血族だった!?

 背伸びした中学生の着想みたいな設定で始まり、小説の中身ではテンプレの腐れラブコメを見せられ(ネズミが出てきてキャッと抱きつき、赤面しながらあわてて離れて言い訳のパターン~20年前の作品か? 少しはラノベ『俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録』とかの、その手の描写のさらに先を行ったメタギャグなどを見倣ってほしい)、あーこれは地雷を踏んだわと呆れながら読んだが、しかして最後の4分の1からの展開でそこそこ面白くなる。やはり21世紀、この出版不況の中で刊行される商業作品、まったくダメ、とことんダメというものは、そうそうないですの。

 つーわけで最後まで読むと、本の仕様としても実は意外な部分にギミックがあるのに気づきちょっと感心させられた。これは帯付きの新刊で読んだ方がいいよ。
 シリーズ化はしてもしなくてもいいです。

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