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ミステリの祭典

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グッドホープ邸の殺人
サー・ジョン・フィールディング判事シリーズ

作家 ブルース・アレグザンダー
出版日1998年02月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/09/14 10:18登録)
(ネタバレなしです) サー・ジョン・フィールディングは実在した18世紀英国の治安判事で、警察の前身である「ボウ街の捕り手たち」を組織・整備してロンドンの治安改善に努めた人物です。米国のブルース・アレグザンダー(1932-2003)は彼を探偵役とした歴史ミステリーのシリーズを書いており、1994年発表の本書はその第1作となる本格派推理小説です。プロットは非常にしっかりしていて、語り手であるジェレミー少年の成長物語としても楽しめますし時代風俗小説としてもよくできています。残念なのは本格派としての謎解きの出来映えが良くないことです。まず密室トリックが脱力モノで、これならわざわざ密室殺人事件に仕立てないでほしいと抗議したいです。それから終盤にサー・ジョンが関係者を集めて謎解きする場面。劇的効果に優れているのはよいのですが、それまで提示されていなかった手掛かりや証言が次から次へと紹介されていて自分で謎解きに挑戦したい読者に対してあまりにアンフェアな印象を与えています。読み物としてはとても面白いだけにその点が惜しまれます。

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