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ミステリの祭典

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死の退場
アルバート・フェルダーシリーズ

作家 ハリイ・オルズカー
出版日1961年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2016/09/10 01:57登録)
(ネタバレなしです) 1959年発表のフェルダーシリーズ第2作ですが作者は「殺人をしてみますか?」(1958年)に引き続きフェルダー(前作では警部でしたが本書では警視)をあくまでも脇役として扱っています。それどころかフェルダーの存在感はますます薄くなったように感じます。なぜなら本書の主人公であるドロシイ・ドーンがあまりにも強烈な個性の持ち主だから。マリリン・モンローやジェーン・マンスフィールドのような女優を目指してワイオミングの田舎からニュー・ヨークへ上京した23歳の女性ですが、次から次にトラブルに巻き込まれながらも(そして何度も酒で酔っ払いながらも)考えることをやめないのはいいのですがこれが的を得ているのか的を外しているのかわからず、読者を(登場人物も)きりきり舞いさせます。典型的な巻き込まれ型サスペンス風のプロットにあぶなっかしいアマチュア探偵ドロシイの捜査が絡み合い、最後の2章ではフェルダー警視と全容疑者、そして(またもべろんべろんの)ドロシイが劇場に集結して(これがなかなかしっかりした)本格派推理小説としての謎解きが繰り広げられます。

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