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ミステリの祭典

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死体置場行ロケット
修道尼ウルスラシリーズ 別冊宝石104号掲載

作家 H・H・ホームズ
出版日不明
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/08/22 01:45登録)
(ネタバレなしです) アントニー・バウチャーのH・H・ホームズ名義による1942年発表の修道尼ウルスラシリーズ第2長編の本格派推理小説で、ミステリー雑誌「別冊宝石」104号で国内紹介されました(1961年)。バウチャーはSF作品やSF評論も書いていますが本書では容疑者にSF作家を何人か登場させています。「科学小説の中に探偵小説は取り入れられない」と語らせていたり、密室事件について意見を求めると四次元トリックとかタイムマシーントリックとかを考案してマーシャル警部を煙にまいたりしています。クライマックスは後半でのロケットを使った殺人事件です(空を飛ぶロケットでなく地上を走るロケットカーですが)。アイザック・アシモフがSFミステリーの「鋼鉄都市」(1954年)を発表する前の時代の作品であることを感じさせますね。密室トリックはさすがにSFトリックではありませんが、あまりにもありそうにないトリックに愕然としました(トリックが実現可能である伏線は用意していますけど)。動機の説明が後出し気味なのも謎解きとして不満です。

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