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ミステリの祭典

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多角形

作家 日影丈吉
出版日1965年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/08/05 06:37登録)
(ネタバレなしです) 文献によると1964年頃から国内ミステリーは冬の時代に突入したらしく日影丈吉も作家として活躍する機会が激減してしまいます。本書はそんな時期の1965年発表の長編本格派推理小説です。月刊誌の編集人の落合と新聞記者の酢本の2人が語り手を交代しながら物語は進み、最終章ではそれを記録している精神分析医の神近が語り手になります。この作者らしくどこか茫洋とした疑惑を手探り気味に解いていくプロットですが、なかなか事件の全体像が見えてきません。第7章の最後で登場人物にレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉「実験には間違いはない。だが、その解釈は間違うことがある」と語らせていますが、どんでん返しの謎解きも最初の推理がそのまま正解と解釈されてもおかしくなかったように感じました。

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