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ミステリの祭典

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遺志あるところ
ネロ・ウルフ

作家 レックス・スタウト
出版日2017年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2018/09/16 00:22登録)
(ネタバレなしです) 1940年発表のネロ・ウルフシリーズ第8作で、シリーズ次作の「語らぬ講演者」はだいぶ後年の1946年の発表ですから第1作の「毒蛇」(1934年)から本書までが一応シリーズ第1期として分類できるのではと思います。国内では雑誌「EQ」の94号(1993年7月)から95号(1993年9月)の2回に渡って連載されました。発端は不公平感の強い遺言書に反発する遺族からの相談というウルフが全く気乗りしない依頼なのですが、そんなことは問題にならない充実のプロットです。個性豊かで曲者ぞろいの容疑者たちを相手にウルフもアーチー・グッドウイン、ソール・パンザー、フレッド・ダーキン、オリー・キャザーのお馴染みの面々だけでなく第五の部下ジョニー・キームズも繰り出し、さらには自身が滅多にしない外出までするのです。その外出先である出来事が起きてあっという間に帰宅する(逃亡する?)ウルフの素早さが何ともおかしいです。解決がやや駆け足気味に感じられますが、複雑さとサスペンスを両立させた本格派推理小説として楽しめました。

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