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ミステリの祭典

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ここにも不幸なものがいる

作家 エドガー・ラストガーテン
出版日1957年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 クリスティ再読
(2017/01/29 22:28登録)
本作は「ジャック・ザ・リッパー物」の一つでわりと有名な作品(あとはどうだ、ローンズの「下宿人」?これはヒッチの映画がある)。ただし、ミステリ、というよりも実録風の小説である。
残虐な殺し方をされた娼婦の事件の犯人として、娼婦と付き合っていた妻子持ちの男が逮捕され裁判にかけられるが、この男の妙な道徳的なこだわりとか、状況の偶然とか、無実を証拠立てることのできる証人に後ろ暗いところがあって黙るとか...いろいろ悪条件が重なった末、無実の罪で男は処刑されてしまう。しかし、処刑当日に真犯人からの手紙が...で、かなり後味の悪い作品である。
あまり謎解き的な興味はないし、真犯人の人間像も最後まで不明のまま。再度の犯行をイメージする場面で終わる。小説としては結構読ませるが、ミステリか、というと怪しい。どっちかいうと、タイトルのカッコよさに魅かれて読んだけどね。

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