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ミステリの祭典

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死がお待ちかね

作家 ベゴーニャ・ロペス
出版日1989年07月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 nukkam
(2016/07/21 12:03登録)
(ネタバレなしです) ベゴーニャ・ロペス(1923-1989)はキューバの心理学者でミステリー作品は本書がデビュー作なのですが、1989年の出版直前に逝去したため遺作でもあります。私にとって初めてのキューバ作家の作品ですが別に共産主義を意識しているような場面はなく観光描写もありません。マリブラン家と近隣住民の人間関係の描写が大半で、その中で起こった殺人事件の謎解きを扱った本格派推理小説です。人物描写に力を入れてはいるのですがこれがとてもわかりづらく、アドリアーナ・マリブランの1人称になったり、(正体が伏せられている)犯人視点になったりと変化をつけていますがそれもあまり効果的とは思えず、物語のメリハリが感じられません。最後は何と警察の電話盗聴から事件解決です。どうやって犯人の目星をつけていたかの説明がないのも不満です。

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