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ミステリの祭典

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チョコレートコスモス

作家 恩田陸
出版日2006年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 tider-tiger
(2016/07/12 07:10登録)
無名劇団に現れた、一人の少女。天性の勘で役を演じる飛鳥の才能は、周囲を圧倒する。いっぽう若き女優・響子は、とある舞台への出演を切望していた。開催された奇妙なオーディション、二つの才能がぶつかりあう! 以上 amazonの内容紹介より

はっきりいってガラスの仮面なんですが、最初に盛り上がって急に盛り下がったり破綻したりといった恩田陸の悪い癖は出ていない。よくまとまった佳作だと思います。恩田陸の重要作品の一つだと自分は思います。
ミステリ要素は極めて薄い(夜のピクニックも採点されていることだし御勘弁ください)ので採点は少し抑えます。
ガラスの仮面を小説にしただけじゃないか、と批判されがちな作品ですが、漫画の小説化ってかなりのリスクがあります。
この小説のストーリー面白いな(この小説売れてるみたいだな)、よし漫画化するか(もちろん逆もある)。こういう安易な発想がウンコを大量に生み出すわけです。
2㎏と565gを足しても567gにはなりません。小学生の時に習いました。まずは単位を揃えます。表現形式がまるで違うのだから、漫画を小説化するのなら、この単位を揃える作業が必須なのです。そこを深く考えないなら映画化やら小説化やら漫画化やらはやらないで欲しいわけです。
チョコレートコスモスはガラスの仮面の面白い要素を抽出、小説化可能な部分を選んで使用、さらに小説ならではの要素を付け足して、比較的うまく小説化していると思います。

漫画→小説 アホらしい作品になりがち。
小説→漫画 物足りなくなりがち。
表現法の違いから生まれる必然的な現象で、理由を一つ挙げておくと「漫画は誇張を基本とする表現形式だから」ということです。
誇張はつまり極端ということです。ガラスの仮面は平凡な顔立ち(作者が必死に強調していた)の北島マヤが主人公でしたが、北島マヤさんはどう見ても美少女です。漫画は普通、平凡を描くのが苦手なのです。
小説は普通、平凡を描くことになんの問題もない。さらに描写を抑制し、想像させるという素晴らしい武器があります。ヒロインの性格だけを描写し、容姿をまったく描写せずとも読者が勝手にそのヒロインを美女だと思うこともあるわけです。
がんばれ小説、漫画に負けるな!

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