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ミステリの祭典

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桟敷童の誕
薔薇十字叢書

作家 佐々木禎子
出版日2015年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2016/07/11 22:14登録)
物語は天城という青年が関口に弟子入りしたいと、関口邸に押しかけ、それを京極堂に相談するところから始まる。天城の一族は劇場をいくつも経営しており、そこには度々桟敷童という妖怪が現れると言う。「その人形は僕が祓うようなものではない」と京極堂は言うのだが・・・
正直、妖怪云々はまやかしだし、一応殺人事件は起こるのだが、これがまた地味で妖しくもなければ謎めいてもいない。真相がわかってみれば脱力感は拭えない。
では何が面白いのかといえば、京極堂、榎木津、関口、木場のそれぞれのキャラが際立っているのと、彼らの絡みが「いかにも」な感じがして懐かしさを覚えるのである。残念ながら京極堂は脇役みたいなもので、主役は榎木津であり、どちらかというと百鬼夜行シリーズよりも百器徒然袋に近いかなと思う。それにしても、こうしたパスティッシュを読むたびに本家の新作を読めない一抹の寂しさに襲われる。

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