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ミステリの祭典

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アナザーフェイス
アナザーフェイス

作家 堂場瞬一
出版日2010年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2016/07/04 10:37登録)
主人公は警視庁、刑事総務課の大友鉄。2年前に妻を亡くし、小2の息子と二人暮らし。子育てのために現職に異動を申し出た経緯がある。
その彼が元上司に呼び出され、少年誘拐事件の捜査を応援することとなる。

主人公にクセはほとんどない。みなが安心するタイプだが、すべてが地ではなく、半分ぐらいは芝居で培った演技による。人たらしのような能力だが、ずるさはない。根っからの善人というわけでもないが、正義感はもちろんある。
ハンサムという点をのぞけば、主人公としては中途半端なタイプだった。
こんなふつうの人物を主人公にしてシリーズ化するのはむつかしいはず。それに挑戦したシリーズというか。自信があったのだろう。

ミステリーとしては、トリックらしきものはなく最後のどんでん返しだけが楽しめる要素だが、それも中盤でなんとなく読めてしまう。伏線が多すぎるのでは?
まあ、大友のキャラと捜査の過程を味わえば十分という内容だった。経験したことがないほどの読みやすさにも拍手。
100冊執筆ということで、最近書店でにぎわっていた作家だが、デビュー20年にもならずこの著作数だから、何でもさらっと書ける作家なのだろう。読み手もそれにおうじて、かるく読めばいい。

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