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ミステリの祭典

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神の家の災い
修道士アセルスタンシリーズ

作家 ポール・ドハティ
出版日2008年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2016/06/28 17:38登録)
(ネタバレなしです) 1992年発表の修道士アセルスタンシリーズ第3作の本書はロバート・ファン・ヒューリックのディー判事シリーズを彷彿させるモジュラー型のプロットが特徴で、アセルスタンが3つの独立した事件を解決します。モジュラー型としては事件の描き分けのバランスが悪く、修道院連続殺人事件にかなりのページを割いています。とはいえこの事件はサスペンスが濃厚でこれだけでも十分におなか一杯になれます。死の部屋の連続怪死事件の謎の魅力も強力で、別の小説にしてもおかしくないほどの内容です。純粋にトリックのみの謎解き(犯人当てではない)にしているのと解決が唐突かつあっさりしているのが少々物足りないですが。教会の死体が引き起こす奇跡の謎は事件性が感じられないこともあって、扱いが小さいのも不満に感じませんけど(笑)。丹念な推理を期待すると肩透かしを食らいますがぜいたくに盛り込まれた謎のオンパレードは読み応えたっぷりです。

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