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ミステリの祭典

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複合誘拐

作家 大谷羊太郎
出版日1980年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/06/17 12:02登録)
(ネタバレなしです) 1980年発表の誘拐サスペンスと本格派推理小説のジャンルミックス型ミステリーです。誘拐トリック、人質輸送トリック、身代金受け取りトリックとトリックメーカーの作者らしさを発揮していますがトリックだけでなく誘拐事件自体がタイトルの通り複雑な展開を見せ、追う立場の人間をまた別の人物が追ったりと二転三転どころでないひねりが読者を翻弄します。後半になると殺人事件が発生し、こちらの謎解きもどんでん返しの連続が圧巻ですが惜しくらむは少々やり過ぎ気味に感じられます。前半ほとんど登場しない人物が突然容疑者として浮上したり、ある容疑者にアリバイがありますと指摘されて「共犯者を使ったと考えればいい」と短絡的な発言が飛び出すなど、何でもありの謎解きでは読者がなるほどと得心しにくいと思います。

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