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ミステリの祭典

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グリシーヌ病院の惨劇

作家 ジャック・バルダン
出版日1998年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/06/08 18:20登録)
(ネタバレなしです) フランスの高校教師ジャック・バルダン(1965年生まれ)が友人の勧めで夏休みの間に書き上げた1997年発表の本書はかなり風変わりな本格派推理小説でした。目を引くのが「読者に対する意識」です。作者からの読者へのメッセージのようなものが随所で挿入されるだけでなく、作中人物のアルソノー刑事にまで「推理小説の人物として読者を意識した発言」を何度も言わせているのが斬新です。「重要容疑者を物語の終盤になって登場させては読者も不満に感じるだろう」などとまともな本格派推理小説を期待させておいて、最後に型破りな結末が待ち構えているところなどは油断なりません(不満に思う読者もいるでしょうが)。

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