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ミステリの祭典

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ココナッツ殺人
ヘンリ・ティベット

作家 パトリシア・モイーズ
出版日1979年04月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/06/02 16:39登録)
(ネタバレなしです) 1977年発表のヘンリ・ティベットシリーズ第13作は本格派推理小説でなく犯罪スリラー系統の作品ですが、非常に巧妙な謎解きも織り込まれています。カリブ海に浮かぶセント・マシューズ島が舞台で、過去作品に登場しているタンピカが近代化が進むのと対照にのんびりした土地ですがここでアメリカの上院議員が殺され、原住民が逮捕される事件が起きてティベット主任警視が早期解決のために呼ばれます。人種問題が取り上げられ中盤には悲惨な出来事も起きますが、雰囲気が暗くならず他の作品同様軽い読み物に仕上がっているのはモイーズならです。考えようによってはモイーズの作風には似合わないテーマとも言えるかもしれませんが所詮フィクションと割り切るべきでしょう。これまでの作品で存在感のなかったレナルズ部長刑事が頑張っているのも特徴です。

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