home

ミステリの祭典

login
窓際のスパイ
<泥沼の家>シリーズ

作家 ミック・ヘロン
出版日2014年10月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2022/01/06 23:45登録)
タイトルは、いわゆる「窓際族」と同じ意味を持っているのですが、一般的な窓際族よりもないがしろにされている連中です。「泥沼の家」で落ちこぼれ用のつまらない仕事をしている、「遅い馬」(原題直訳)である登場人物たちの日常や内面がかなりじっくり描かれていてテンポが遅く、最初のうちはちょっと退屈な感じです。しかし誘拐された青年がどんな人物かがわかるあたりからは、驚かされるような展開で、おもしろくなります。
プロローグ(「プロローグ」とはされていませんが)をこれだけきっちり書き、さらにその記憶を一応の主人公リヴァー・カートライトが何度も思い出すシーンが挿入されていれば、そこに何かあるなとはすぐに感付きますが、なるほど、そこまで関わっていましたか。
誘拐事件の決着部分だけは、確かにひねってはいるのですが、むしろオーソドックスなパターンにした方がよかったかなと思いました。

1レコード表示中です 書評