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ミステリの祭典

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みんなの怪盗ルパン
小林泰三、近藤史恵、藤野恵美、真山仁、湊かなえ

作家 アンソロジー(国内編集者)
出版日2016年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 人並由真
(2016/05/25 17:43登録)
(ネタバレなし)
 先の乱歩&少年探偵団シリーズへのトリビュート企画「みんなの少年探偵団」路線に続く、ポプラ社のジュブナイル企画もの。今回は、やはり世代人にはおなじみの南洋一郎版「怪盗ルパン」シリーズへの、オマージュアンソロジーである。

収録作品(すべて書下ろし)は以下の5編。
『最後の角逐』小林泰三
『青い猫目石』近藤史恵
『ありし日の少年ルパン』藤野恵美
『ルパンの正義』真山仁
『仏蘭西紳士』湊かなえ

個人的には巻頭の小林作品が、いきなりケレン味の効いた大技でニヤリとさせられた。だがAmazonでの某氏のレビューを読むとこれは(関連作品の)原典の設定にそぐわないものだそうで、それは残念。当時の欧州の<あの時>の暗黒街の状況に目を向けたアイデアは良かったと思うんだが。
あとの4本は近藤、藤野、真山がルブラン+南のルパンものの雰囲気を大事にした(と思える)作りでほっこり。湊作品はやや変化球だが、良い感じでトリビュートアンソロジーの幅を広げた感じで悪くはない。

いずれアンソロジーの2冊目、さらには先駆の「みんなの少年探偵団」に倣って、新世代の国内作家による書下ろしの長編なども出るかもしれない、と期待。成長したイジドールの話なんか読んでみたいわ。

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