海外SFハンドブック |
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作家 | 事典・ガイド |
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出版日 | 2015年08月 |
平均点 | 4.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 4点 | Tetchy | |
(2016/05/19 23:58登録) 昨今縁あってボツボツとSF作品を読むようになってきたため、純粋に初心者の立場からSFに触れようと本書を手に取ってみた。 正直本書に収録されている作家たちは名のみぞ知れ、まったく馴染みがないため、作品に対する興味はミステリよりも沸かなかった。むしろSFというジャンルはやはり小難しいという思いを強くした。 残念なのが代表的な作家を取り上げ、彼ら彼女らの代表作の解説が延々と続いていることだ。 ランキングは記されているものの、単なる順位紹介に留まっており、門戸が開かれていない感は否めない。 また延々と続く作家の紹介の後は日本人作家の座談会が少々と作家たちのオールタイムベストの紹介、そしてSF史を綴ったコラムが続く。しかし内容としてはそれだけである。残り140ページは索引ばかりとなんとも呆気にとられてしまった。 最近の編集者たちはガイドブックの作り方を知らないのだろうか?ランキングもしくは主だった作家たちの作品の紹介をして、少しばかりコラムを載せればガイドブックが1つ出来上がる、そんな風に思っていないだろうか。 確かにそのような作りのガイドブックも昔からあったのだが、書かれていた内容はもっとディープで筆者の熱を感じるものばかり。もしくは新たな物語の見方を示す、まさに読み巧者の鋭い目利きといった内容がコラムには含まれていた。 本書を含め、最近のガイドブックは書影とタイトルでページ半分を費やし、残り半分の限られたスペースで作品に関する内容と作品が書かれた時代背景などを紹介するものだから浅薄に思えてならない。またコラムも作家名と作品名の羅列に過ぎないものが多く、門外漢にしてみれば、「だから何なんだ?」と思わず云いたくなる代物ばかりだ。 もっと1つの作品もしくは作家を突き詰めていろんな書評家がディープに論じてほしい。それこそが読者を知らない世界へ導く有効な道標となりうるのである。 もし本書に収められている作品を読んだ後に振り返って本書を紐解いたとき、本当の価値が解るのではないか。そう期待して本書は傍らにとっておこうと思う。 |