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ミステリの祭典

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コンピューター殺人事件

作家 藤村正太
出版日1978年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2022/03/14 20:20登録)
1971年発表で、まだプログラムや処理データをワープロ感覚で作成できるようになる前、穴を開けた紙を読み込ませて命令を実行させていた頃の話です。そのような時代だからこその社会派的な「コンピューター公害」テーマが扱われています。ただSFでは、極秘任務遂行のため宇宙船乗組員たちを殺すコンピューターHALがその3年前に登場していますが。
最初の殺人のアリバイトリックは、シンプルですが悪くありません。一酸化炭素中毒死を引き起こす条件を考えると、原理は簡単にわかると思うのですが、その点の説明はありません。第2の殺人の方は、時刻表の意外な事実を基にしたトリックで、目の付け所はいいものの、もっと効果的で確実な使い方ができなかったかなという気もしました。
しかしこれは動機として成り立たないでしょう。現在ならちょっとした返還ミス、いや変換ミス程度のことでも起こり得ることでしてね。

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