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ミステリの祭典

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コンピューター殺人事件

作家 藤村正太
出版日1978年01月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2026/07/07 15:38登録)
(ネタバレなしです) 1971年発表の社会派推理小説と本格派推理小説のジャンルミックスタイプで、私の読んだ講談社文庫版の山村正夫による巻末解説では「数ある代表作中でも、いまなお随一に挙げ得る力作として世評に高い」と激賞しています。コンピューター導入のシステム化を巡って推進派と反対派が対立する企業で起きた殺人事件というプロット設定はいかにもな社会派で、当時としてはモダンだったと思います。半世紀以上前の作品ならではの古さを感じさせる部分もありますけど第8章での合理化を巡る議論や第12章でのコンピューター公害に関する意見などは現代の読者でも共感するところがあるかも。本格派としてはアリバイ崩しと犯人特定を両立させた謎解きが特徴です。第1の事件ではやや専門的ながら印象的な小道具が使われています。一方で第2の事件のアリバイは証人の勘違いに頼って成立させているような危うさが気になりました。

No.1 5点
(2022/03/14 20:20登録)
1971年発表で、まだプログラムや処理データをワープロ感覚で作成できるようになる前、穴を開けた紙を読み込ませて命令を実行させていた頃の話です。そのような時代だからこその社会派的な「コンピューター公害」テーマが扱われています。ただSFでは、極秘任務遂行のため宇宙船乗組員たちを殺すコンピューターHALがその3年前に登場していますが。
最初の殺人のアリバイトリックは、シンプルですが悪くありません。一酸化炭素中毒死を引き起こす条件を考えると、原理は簡単にわかると思うのですが、その点の説明はありません。第2の殺人の方は、時刻表の意外な事実を基にしたトリックで、目の付け所はいいものの、もっと効果的で確実な使い方ができなかったかなという気もしました。
しかしこれは動機として成り立たないでしょう。現在ならちょっとした返還ミス、いや変換ミス程度のことでも起こり得ることでしてね。

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