home

ミステリの祭典

login
千曲川旅情殺人事件
久我京介シリーズ

作家 藤原宰太郎
出版日2006年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/03/21 00:00登録)
(ネタバレなしです) 1991年発表の久我京介シリーズ第4作の本格派推理小説です。タイトルから島崎藤村の「千曲川旅情の歌」という詩と関連があるような印象を与えますが別に文学的でもないし旅情も感じません。純然たるパズルストーリです。光文社文庫版では「密室、ダイイングメッセージ、アリバイの推理小説の三種の神器を駆使した巧妙なトリックの数々」となかなか凄い宣伝文句で紹介していますが、地味で小粒なトリックばかりでそれほど印象に残るものではありませんでした。謎の演出が地味だったのは結果的にはよかったかもしれません。この作者らしくミステリー作品のネタバレがありますが、ほとんどが短編作品の紹介なのでネタバレを嫌う読者の精神的被害はそれほど大きくはないと思います(笑)。長編作品でネタバレされたのは横溝正史の「本陣殺人事件」(1946年)の密室トリックぐらいでした。

1レコード表示中です 書評