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ミステリの祭典

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閃光の遺産

作家 三好徹
出版日1967年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/03/03 18:38登録)
(ネタバレなしです) 1967年発表の本書は、松本清張が責任監修した「新本格推理小説全集」に収められた10冊の中の1冊です。失踪した夫、大竹光夫への妻からのメッセージが山陽日報の広告欄に掲載されたが、山陽日報を訪れた妻の早苗は自分は広告を依頼したことはなく、しかも新聞に広告が載った朝は夫はまだ自宅にいたと主張する風変わりな謎で始まり、終盤近くまで犯人の正体を伏せ、最後は(時代の古さを感じさせるものの)トリック説明で締め括っており、この作者としては本格派を意識した作品だと思います。とはいえ犯人探しよりも行方不明の人物探しを重視したプロットはこの作者の本質は本格派ではないことを再認識させられます。犯人の名前を最初に指摘したのが探偵役でないところも本格派としては異色です。そこが三好なりの「新本格」なのかもしれませんが。

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