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ミステリの祭典

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閃光の遺産

作家 三好徹
出版日1967年01月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 クリスティ再読
(2026/07/20 10:33登録)
今回本作を選んだのは、NHK土曜ドラマ・サスペンスシリーズの第一弾でドラマ化(1977)されていたのを覚えているからだな。松本清張シリーズが好評で、ミステリのドラマ化が企画の宝庫と認識されて、本作・「高層の死角」「轢き逃げ」「暗い落日」と4本連続して製作された。特に本作は松本清張シリーズでも大活躍の和田勉の演出だった。

で本作については、nukkam さんご指摘のように、松本清張が責任監修した読売新聞社「新本格推理小説全集」の書下ろし。「新本格」という言葉自体、実は何度も何度も繰り返し主張されてきた一種のバズワードだったわけだが、社会派がやや飽きられてきた状況で、パズラー要素を盛り込んだ社会派、というなかなかタイムリーな企画でもあった。清張自身は社会派・風俗派と本格を止揚しようという抱負を語っていたりもする。だから、本作でもリアル系アリバイトリックと、ちょっと感心するような犯人側工作がある。動機面も、原爆孤児の身元探索を扱いながらその裏面にある俗な問題がキーになっている。というわけで、松本清張の注文からすれば、百点満点に近い回答をして見せたんだとも思うよ。

なおかつ、ドラマとしては「本格」って映像化しづらいんだよね。社会問題や動機を掘れる方がドラマとしてはやりやすいに決まっている。まさにそういう注文にも本作はハマっているわけでもある。
(とはいえ、冒頭の行方不明の夫探しの件は、やや浮いているかな。ドラマでは改変されたみたいだ)

No.1 5点 nukkam
(2016/03/03 18:38登録)
(ネタバレなしです) 1967年発表の本書は、松本清張が責任監修した「新本格推理小説全集」に収められた10冊の中の1冊です。失踪した夫、大竹光夫への妻からのメッセージが山陽日報の広告欄に掲載されたが、山陽日報を訪れた妻の早苗は自分は広告を依頼したことはなく、しかも新聞に広告が載った朝は夫はまだ自宅にいたと主張する風変わりな謎で始まり、終盤近くまで犯人の正体を伏せ、最後は(時代の古さを感じさせるものの)トリック説明で締め括っており、この作者としては本格派を意識した作品だと思います。とはいえ犯人探しよりも行方不明の人物探しを重視したプロットはこの作者の本質は本格派ではないことを再認識させられます。犯人の名前を最初に指摘したのが探偵役でないところも本格派としては異色です。そこが三好なりの「新本格」なのかもしれませんが。

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