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ミステリの祭典

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ふとった神の死

作家 H・R・F・キーティング
出版日1969年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2016/02/10 12:19登録)
(ネタバレなしです) 英国の男性作家H・R・F・キーティング(1926-2011)は「パーフェクト殺人」(1964年)に始まるインドを舞台にしたゴーテ警部シリーズが有名ですが、それより前にも長編5作ほど発表しており、1963年発表の本書もその一つです。いきなりオペラの演技場面で物語が始まるため、ちょっととっつきにくい出だしだと思います。また歌手の1人であるジャン=アルタバンの性格の悪さはよく描けていると思いますが、オペラでの死体役なのに起き上がって芝居を台無しにしかねなかった行動の意図についての説明がないのもちょっと不満です(私が見落としたかもしれません)。とはいえ本格派推理小説としてしっかり作られており、具体的な証拠は不足気味ながらも最終章で探偵役のクラッグス夫人が容疑者を絞り込んで犯人を指摘する場面はなかなかスリリングで、解決後の締めくくりもなかなか小粋な演出がなされています。

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