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ミステリの祭典

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折鶴が知った…

作家 日下圭介
出版日1977年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/02/07 04:20登録)
(ネタバレなしです) 26の長編と18の短編集を残した日下圭介(1940-2006)はジャーナリスト出身者ですが、「新聞記者が推理小説を書いたと聞いて『ははあ、社会派』と先回りする人が多い。勘弁してほしい」と述べているように国内ミステリーで人気の高い社会派推理小説には背を向け、フレンチ・ミステリーに影響を受けたサスペンス小説と本格派推理小説が創作の中心でした。1977年発表の長編第3作の本書は前者に属する作品です。私はフランスのサスペンス小説を読んでいないので比較はできませんが、婚約破棄の理由がはっきりしない上に殺人犯と疑われてしまった主人公(結城京子)が被害者の家族につきまとわれるプロットはサスペンス豊かで、作者がねらった「過去の傷痕を負った人間たち」「穏やかな川面の下の暗い底流」「激しく静かなドラマ」が過不足なく描かれています。また折鶴や絵葉書や不思議なメッセージが謎を深め、終盤にはよく考えられたアリバイ崩しがあるなど本格派も意識したようなところがあります。最後は自白に頼ってしまったため本格派になりきれていませんが。

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