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ミステリの祭典

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密室の王

作家 カーラ・ノートン
出版日2014年05月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2019/12/04 19:39登録)
密室と言っても、ディクスン・カーみたいな意味ではありません。少女誘拐監禁事件をテーマにした作品で、少女を閉じ込めておく部屋の意味です。
もともとノートンは犯罪ノンフィクションの作家だそうで、小説としては本作がデビュー作になります。しかしこれは読みやすくおもしろくできていました。原文はどうかわかりませんが、翻訳文は現在形で統一されているのが珍しいでしょう。
過去に誘拐監禁された経験を持つリーヴが、カウンセリングを受けている医師から頼まれて、新たに発生した監禁事件の被害者少女の家族の話し相手になるのですが、今回発覚した監禁事件の裏には、他にも2件の少女誘拐を指揮した黒幕「公爵」がいて、対決することになるというストーリーです。「公爵」の側から描かれる部分では、彼の犯罪計画の異常なまでの徹底ぶりが見ものです。ただ、最後の方ダミー犯人に関する部分が、不明瞭になってしまっているのは残念です。

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