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ミステリの祭典

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春夏秋冬殺人事件

作家 斎藤栄
出版日1982年06月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 kanamori
(2016/02/08 18:26登録)
横浜市郊外の太陽台団地に住む美大の助教授・菊水桂二郎は、素人の名探偵として警察も一目置く有名人。特技の読唇術を活かして、今日も団地周辺で発生した殺人事件を謎解いていく--------。

春、夏、秋、冬の部と、4つの事件から成る連作ミステリ。
ぶっちゃけ3話目までは本格ミステリとして大した出来ではありません。1話目の「団地美女殺人事件」こそ、”なぜ犯人は裸の死体を路上に放置したまま逃走したのか?”というホワイから、意外な犯人に繋がる仕組みに面白みがありますが、第2話の偽装遺書のトリックは(気付きの伏線に工夫があるものの)仕掛けがミエミエですし、3話目に至っては偽装アリバイがトリックにもなっていないありさまです。いずれも、犯人に罠を仕掛けて....という結末の処理も安直な感じを受けます。
しかし最終話がちょっとした問題作です。茶室の密室トリックは山村美紗の某作のヴァリエーションといえますが、最後に明かされる意外な犯人にはキョトン.......なるほど、だから特技が読唇術www
あと、タイトルがベタで損をしていますね。再販することがあるなら、いっそのこと「菊水桂二郎とXYZの悲劇」とかに改題してはどうでしょうか。

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