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ミステリの祭典

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青いリボンの誘惑

作家 飛鳥高
出版日1990年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2016/02/02 18:59登録)
(ネタバレなしです) 本業である建築学者としての仕事が忙しくなった飛鳥高(1921年生まれ)は「ガラスの檻」(1964年)を最後にミステリー執筆をやめてしまいましたが1990年、実に26年ぶりに本書を発表したのには驚いた人も多かったでしょう。久しぶりといっても文章に硬さは見られず、プロットもしっかり練り上げられています。難を言うなら登場人物の関係が案外と複雑で整理が大変なので、登場人物リストを作りながら読むことを勧めます。アリバイトリックに本格派推理小説らしさを、過去の事件に関わる企業進出と地元との利害関係に社会派推理小説らしさを感じ取ることもできますが、本書で一番力を入れているのは人間ドラマの部分でしょう。それぞれの思惑がからみあって悲劇が生まれ、その悲劇がまたそれぞれの人生に影を落とすという、重苦しいドラマが読者に突きつけられます。謎解きよりも小説部分の方に力を入れているように感じました。

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