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ミステリの祭典

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クレオパトラの黒い溜息

作家 小峰元
出版日1984年10月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 nukkam
(2016/01/27 16:22登録)
(ネタバレなしです) それほど著名な作品ではありませんが1984年に発表された本書は小峰作品のみならず全てのミステリー作品の中でもユニークな試みがあることで知られます。それは横書きで書かれたことです(小説としては日本初らしいです)。電子メールが日常ツールとなっている現代ではこの横書き形式もそれほど苦労せずに読めると思います(従来の縦書きより有利だとも思いませんが)。このタイトルで「プラトンは赤いガウンがお好き」(1977年)に登場したパトラというニックネームの女子高生の再登場を期待した人、残念でした。全く関連のない作品です。成績優秀であっても大人にいいようにあしらわれてしまう主人公(男子高校生)の物語ですが、低俗に走り過ぎなストーリー展開が私の好みに合わず主人公にも共感できません。各章の最後で「振出へ戻る」という設定なのがこれまたユニークですが、捜査や推理が進んでいるというより行き詰まり気味なので「戻る」感じの演出が弱く趣向倒れの印象が残ります。但し最終章での推理説明にはインパクトがあり、「振出へ戻る」も上手くはまっています。

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