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ミステリの祭典

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雨の日も神様と相撲を

作家 城平京
出版日2016年01月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2016/03/26 22:15登録)
4ページ目、タイトルの前に記されている「少年少女青春伝奇」の文字がこの作品の概要をよく表している。つまり、青春小説であり伝奇小説だということ。ミステリは主題ではないので、おまけ程度と思って読んだほうが無難だろう。
主人公の少年はある村に転校してくるが、ここではカエルが神様であり、カエルの言葉を唯一理解できるのがもう一人の主人公の少女、真夏である。少年は小柄だが相撲の経験者で、彼は外来種のカエルを相撲で攻略する方法をトノサマガエルらに教示する。
少年は非常に大人びており、どこか達観しているところがあって感情移入しづらいのがやや残念な気もする。一方の真夏もあまり感情をあらわにしないタイプの上、大柄なため可愛げのない感じを受けるので、損をしていると思われる。ただし、この凸凹コンビのやり取りがちぐはぐであったり、少年が思ったことの半分も言えず、言葉を飲み込んだりする心理描写はなるほどと頷ける部分も多い。
ラストは爽やかすぎて青春小説として◎。

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