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ミステリの祭典

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Zの喜劇

作家 ジャン=マルセル・エール
出版日2015年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2016/02/06 12:53登録)
B級映画オタクのフェリックスは、職にも就かず、1歳になる娘の世話をしながら、映画の脚本を書き散らかしていたが、そんなある日、食肉屋のオヤジが彼のシナリオを映画化したいと言ってきた。しかし喜ぶフェリックスのもとに刑事が現れ、意外な事実を告げる--------。

「その女アレックス」が火をつけたのか、昨年は例年になく多くのフランス・ミステリが翻訳出版された印象がありますが、本書はそのなかでも、最も笑撃度が大きかった怪作です。
フェリックスの映画シナリオの登場人物は実在しており、老人ホームに住み込む元端役の映画俳優たちが脚本どおりに次々と失踪していく、というのが本書の謎解きミステリとしての本筋ですが、とにかく、登場人物たちの奇人変人ぶりがハンパない。
妻、娘、姉、母親と周りの強い女性陣に翻弄されっぱなしのダメ男の主人公はもとより、推理小説のデータを参考に確率で犯人候補を次々列挙していく刑事と、そのバカ息子の刑事見習い。100歳を超える元ポルノ俳優の夫婦や、”老い”をネタにしたギャグを応酬する元映画俳優たち等々、まともなキャラクターは一人も登場しないw  とはいえ、メタでハチャメチャなドタバタ展開の終幕には、”どんでん返し”による意外な真相も用意されているので侮れません。

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