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ミステリの祭典

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月曜日ラビは旅立った
ラビ・スモールシリーズ

作家 ハリイ・ケメルマン
出版日1981年04月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/01/23 21:53登録)
(ネタバレなしです) 米国では第二次世界大戦以降から長い間本格派推理小説の人気が低迷し、ジョン・スラデックの傑作「見えないグリーン」(1977年)でさえもあまり評判にならなかったようです。しかしケメルマンのラビ・スモールシリーズはそれなりの人気があったらしく、中でも1972年発表のシリーズ第4作である本書はイスラエルを舞台にしたという珍しさもあってか小説部門のトップ10入りしたほどヒットしたそうです。もっともラビは休暇に徹していてあまり目立たないし、事件は中盤まで起きません。しかも起こった事件がテロリストによる無差別爆弾殺人風とあっては謎解きのワクワク感がいまひとつ盛り上がりません。もちろん犯人はテロリストではありませんし、最後は推理による謎解きで辻褄は合わせてますが。米国で人気が高かったのはこのシリーズが本格派推理小説だからではなく、ユダヤ社会の描写が注目を浴びたからではないでしょうか。

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