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ミステリの祭典

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噂のレコード原盤の秘密
ジョニー・フレッチャー&サム・クラッグ/別邦題『レコードは囁いた…』

作家 フランク・グルーバー
出版日2015年12月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/03/31 12:06登録)
(ネタバレなしです) 1947年発表のジョニー・フレッチャー&サム・クラッグシリーズ第10作で、シリーズ第1作の「フランス鍵の秘密」(1940年)と同じホテルが舞台になっています(前作ネタバレはありません)。いきなり男が女を殺す場面で始まりますが犯人の正体は終盤まで伏せられており、最後に事件関係者を一堂に集めてジョニーによって犯人が指摘されます。この集め方が凝っていて、ジョニーが会社に乗り込んで臨時の株主総会を開催させるというのがなかなかの見所です。しかしやはりこのシリーズの他の作品と同じく、犯人当て要素はあっても本格派推理小説の謎解きとしては多くを期待できません。推理は論理的でなく、証拠についても(犯人自身が指摘していますが)決定力がなく、結局(サムは気づきましたが)はったりで押し切っています。やはり軽めのハードボイルドとして、あの手この手の金策(今回は恒例のボディービル商売はできません)に奔走するジョニーとそれに振り回されるサムのでこぼこコンビぶりを楽しむのがよいと思います。

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