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ミステリの祭典

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億千万の人間CMスキャンダル
木村彰一シリーズ/旧題『ユウ 日本国民全員参加テレビ新企画』

作家 清涼院流水
出版日1999年12月
平均点3.50点
書評数2人

No.2 4点 メルカトル
(2020/01/20 22:41登録)
それは、わずか十五秒の奇妙な悪夢から始まった。人気TV番組『ゴールデンU』に出ていた、もう一人の自分自身。あの「木村彰一さん」は誰だ?同じ街に住む、同姓同名で同い年のそっくりさん?「違うんだ、あれはおれじゃない!」日本中の注目を一身に浴びる中、彰一は不可解な陰謀から逃れようとするが…。著者渾身の新感覚ミステリ。
『BOOK』データベースより。

要するにもう一人の自分は誰なのか?というのがテーマです。同姓同名、同じ顔の自分だけど、自分のはずがない。木村彰一シリーズ、その裏に隠されているのは陰謀なのかはたまた超自然現象なのか。作者自身は文庫化に当たって、説明がくど過ぎるのとインパクト不足を是正する為、大幅に縮小して加筆修正したそうですが、残念ながらインパクトの大きさは全く感じませんでした。オチが披露された瞬間、はあ?ですね。分かったような分からないような、一瞬の間の後理解できましたが、ここまで盛り上げておいてそれかいと思いましたね。

巻末に特別寄稿として40ページに亘り延々自慢しています、文庫化の狙いはそれだったのかと勘繰りたくなります。己の武勇伝を実在の人物であり親友である(という設定の)木村彰一に語らせ、めっちゃ自画自賛しています。曰く清涼院流水は不世出の作家、眠らない男、アイディアが枯渇することがない、天才、時代の先を幻視しているなどなど。まあここまで自分を褒め称えられる人はそうはいないですね。だから誰も注目しないんじゃないかと思ったりします。ミステリ作家としてはもう終わった人だけど私はまだまだ読みますよ、流水大説を。

No.1 3点 風桜青紫
(2016/01/18 03:59登録)
うーん、イミフ!
意外性だとか新しいことを求めようとしたであろう結果、話がなんとも支離滅裂なことになっている。結局何がやりたかったんだと問いたくなるが、恐らくは「ムラムラ!」とかいう実にしょうもないギャグがやりたかっただけだろう。清々しく1点をつけたくなる作品だけれども、解説の流水伝説がくだらなすぎて結構笑えたので、3点。この流水魅力的すぎるww。自分のキャラクターに自分のよいしょをさせてしまうとは……さすがは流水、と言っておこう。

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