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ミステリの祭典

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狩人は都を駆ける
京都探偵シリーズ

作家 我孫子武丸
出版日2007年12月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 6点 虫暮部
(2025/08/02 13:08登録)
 作風をコロコロ変える我孫子武丸の、謎解き風味も濃度も薄いが、素直に読めるライトでユーモラスな探偵物語。ハードボイルドとは呼べない。個人的にはミステリ度が低いと緩さも許容し易いので、これでもまぁ良いんじゃない。
 なんだけど、アレの前日譚だと思うと、二つの世界を無理矢理くっつけたようで、この舞台の書かれていない部分に何が隠れているのか気が気でない。素直な読み方ではいけないような気にさせられてしまう。

No.1 4点 風桜青紫
(2016/01/18 03:44登録)
本格ミステリとしては薄味だが、だからといって私立探偵ものとして面白いかと問われたら微妙。『セント・メリーのリボン』はおろか『犬はどこだ』の水準に届いているかも怪しい。作者は傲慢ちきななんちゃって大御所なのに作品はなんだかスイーツになってしまっているのが悲しいところである。「野良猫嫌い」はその点でまだ楽しむことができたが、表題作や「失踪」はどうにも甘ったるくて「これでいいの?」という感じだし、「狙われたヴィスコンティ」に関してはあまりに投げやりな終わりに哀しみすら感じてしまった。「我孫子武丸はこんなものではないはずだ!」と思いながら読んでいたが、冷静に考えれば我孫子から奇抜なアイデア力をとってしまえばこんなものなのかもしれない。しかしもっと頑張ってほしかったなあ……。

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