書楼弔堂 破曉 書舗・書楼弔堂シリーズ |
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作家 | 京極夏彦 |
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出版日 | 2013年11月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | メルカトル | |
(2016/01/17 22:06登録) 灯台のような三階建ての古書店、弔堂(とむらいどう)。目立つのになぜか風景に馴染んで認識しづらいのが特徴である。 時代は明治初期、幕末から明治にかけて活躍した著名人が今日も弔堂を訪れる。そして元僧侶の店の主が、「読まれぬ本を弔い、読んでくれる者の手元に届けて成仏させるが我が宿縁」などと説法の如きセリフで客を説き伏せる。それぞれの悩みを聞き、歩むべき道を示し、生きる意味を問う。 だが決して難解ではない。京極堂にどこか雰囲気が似通った、弔堂の主は本を通じて客に時に論戦を挑み、時に説法をする。ある意味では日常の謎を解くがごときシーンもあり、うっすらとではあるがミステリの要素も感じさせる。 読み終わった時、読者に何かを残す一冊だと思う。京極作品としては薄味かもしれないが、読んで損はないだろう。 |