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ミステリの祭典

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寂しすぎるレディ

作家 ドミニック・ルーレ
出版日1983年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2016/01/19 00:20登録)
作曲家を志望し田舎からパリに出てきた青年アントワーヌは、雑誌の交際欄で恋人を求める広告を目にし、謎めいた女性レアと出会う。二人は急速に親しくなり、やがて愛し合うが、時々暗い顔を見せるレアには何か秘密があることに気付く--------。

1979年度のフランス推理小説大賞を受賞した心理サスペンス。
最初の章で、アントワーヌが獄中で書いた弁護士宛ての手紙文が開示されているので、物語の後半で何か事件が起こったのだなと推測できますが、主人公と情緒不安定な女性レアとの恋愛模様が中心の前半は、レアの境遇やある行為の説明があやふやなまま物語が進行します。
ミステリの主題としては、"いったい何が起きているのか?" ということになるのですが、ほとんどの読者は、リリーという幼女が登場した段階で、隠された構図が判ってしまうと思います。作者もその陰謀部分を隠すことにさほど重きを置いていないのではと思えるほどです。
抒情的でやるせない深く印象に残るラストシーンを読むと、本書は恋愛を煙幕にしたミステリなどではなく、ミステリ部分を小道具にした恋愛小説なのでは?と深読みしてしまう。

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