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ミステリの祭典

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天使の殺人

作家 辻真先
出版日1983年01月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 nukkam
(2016/01/16 23:53登録)
(ネタバレなしです) 1983年発表の本書は死者は誰か、犯人は誰か、探偵は誰かという謎を一つの作品の中で成立させた独創的な本格派推理小説です。天使と天使長を作中に登場させたことは評価が分かれそうです(もっともこれがあっての「天使の殺人」なのですが)。単なる観察者的な役割を与えているだけならまだしも、本書のように事件に介入させてしまうと一般的に推理できる範囲を超越した結末がいくらだって用意できてしまうのですから。まあそれは作者自身が百も承知、作中で「名探偵に必要なのは推理でなく、犯人を創造するこじつけの能力」とぬけぬけと言わせています。ミステリーでありながらどこかミステリーを揶揄しているようなところがあります。なお創元推理文庫版には小説版と戯曲版が収められており、基本プロットは共通していますがまるで異なる結末になっています。

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