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ミステリの祭典

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盗まれた意匠

作家 メアリイ・ケリイ
出版日1964年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2016/01/16 02:52登録)
(ネタバレなしです) 英国のメアリイ・ケリイ(1927-2017)は1950年代から1970年代前半にかけて活躍した女性作家で、1961年発表の本書は同年のCWA(英国推理作家協会)のゴールド・ダガー賞を獲得した本格派推理小説です。企業秘密の漏洩というドライで利益がらみの犯罪を扱っていますが、主人公の私立探偵ニコルソンの捜査で浮かび上がってくるのは複雑な人間関係です。整理が出来ていない序盤は少々読みくいですが、各人の個性が確立すると地味な展開ながらも心理描写の妙で読ませます。主人公に単なる探偵役以上の役割を与えているのもポイント高いです。犯人を特定する謎解き伏線は十分でないように思いますが、ちょっとした手掛かりを巡る推理がどんでん返しを巧く演出しています。

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