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ミステリの祭典

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ヴァルカン劇場の夜
ロデリック・アレンシリーズ

作家 ナイオ・マーシュ
出版日1957年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2016/01/11 04:07登録)
(ネタバレなしです) 1951年発表のロデリック・アレンシリーズ第16作の本格派推理小説です。作中で過去の自作のネタバレをしてしまう悪癖を持つ作者ですが、本書でも中編「出口はわかっている」(1946年)のトリックが紹介されています。犯人名こそ明かしてはいませんがまだ未読の読者にとってはかなりのヒントになってしまうでしょう。もっとも本書の場合はこの引用が謎解きプロットの中で重要な役割を果たしているので一概に非難できないところもありますが。劇場や舞台稽古の描写が他の作家の追随を許さないところはこの作者ならでは。その分前半がミステリーらしさが希薄に感じられるところもありますが後半は盛り返し、派手ではないけど劇的に計算された締めくくりを楽しめました。

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