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ミステリの祭典

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赤いランドセル

作家 斎藤澪
出版日1982年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/01/07 20:24登録)
(ネタバレなしです) 1982年発表の長編第2作で、ゴトゴトと動き続けるコインランドリーの乾燥機の中から幼女の死体が発見されるという事件を扱っていますが残虐性や異常性はそれほど強調されていませんし、恐さもそれほど感じませんでした。探偵役であるフリー・ライターの浅見恭介が第2章で「各自が自分の世界に沈んでいる」とコメントしているように、事件が登場人物たちの心に落とした影の描写に作品の特色があります。サスペンス小説としては地味で、本格派推理小説としては最後に明らかになる真相を読者が推理する手掛かりが十分ではなく、謎解きのスリルよりも悲劇性の描写で勝負した作品と言えそうです。

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