home

ミステリの祭典

login
老子収集狂事件

作家 藤野恵美
出版日2015年11月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 kanamori
(2015/12/26 15:52登録)
江角市のタウン誌「え~すみか」のアルバイト編集員・真島が遭遇する”日常の謎”を、チャイナドレス姿の謎の美女・胡蝶先生が謎解いていく連作ミステリ。「猫入りチョコレート事件」に続くシリーズの第2弾(というか、完結編)です。

表題作をはじめ、「見えないスクリーン」「金曜日ナビは故障した」「五匹の子猫」「そして江角市の鐘が鳴る」と、前作と同様に収録5編のタイトルすべてが、有名な海外ミステリのダジャレです。解説の法月氏が”パロディ”と表現していますが、内容的には元ネタを想起させる趣向はとくに見当たらず、単にタイトルのダジャレありきに留まっているのは残念な点で、そのためシチュエーション・コメディとしての側面が目立ち、謎解きミステリとしてはユルメなのはやはり高評価しずらいですね。
なお、最終話の「老子収集狂事件」でシリーズを通した数々の謎の真相が明かされるので、先に前作を読んでおいたほうが楽しめると思います。

1レコード表示中です 書評