home

ミステリの祭典

login
紺碧の嘆き
トラヴィス・マッギー

作家 ジョン・D・マクドナルド
出版日1999年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2015/12/08 22:08登録)
邦題では「紺碧」となっていますが、原題は “The Turquoise Lament”、トルコ石色ですから、むしろ明るめの青、青緑という感じで、シムノンの『紺碧海岸のメグレ』の方が、本当の紺碧色(英語ならazure)です。まあどっちにしても、海の色には違いありませんが。こちらは冒頭のハワイからクライマックスのサモアの海です。トラヴィス・マッギーは船を住居としている人物ですから、海や島を主要舞台とした本作は彼にふさわしい話と言えるでしょう。
最初の依頼人はマッギーもよく知っている女で、さらにその亡き父親とは沈没船の宝探しを一緒にやったこともあるのですが、その沈没船の調査資料も絡んでくる、個人的な事件です。太平洋を航海している船が現在どこにいるのかなんて調べようがないという、ちょっと珍しいサスペンスもあります。
ただ、様々な事柄に対する講釈がやたらに長いのだけは少々うんざりでした。

1レコード表示中です 書評