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ミステリの祭典

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ヒトでなし 金剛界の章

作家 京極夏彦
出版日2015年10月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2015/11/29 21:45登録)
これはいったい何だろう。ミステリの要素はある、観念小説か、宗教小説、或いはクライムノベルなのか。
主人公の尾田は幼い娘を亡くし、職も追われ、家族と離れ、そしてヒトでなしになった。そんな彼に人殺しという重罪を背負った人間や、人生における大きな苦難を抱えた人間たちが、次々に接触し救われていく。というか、憑き物が落ちる如く人が変わっていく様を描いている。
文体はいかにも京極らしく、執拗でありながら理解しやすい。それでも、おそらく一般読者を意識して、読みやすく書いていると思われる。目次には一話から十一話までとの表記があるが、長編である。そして無論続編が書かれるだろう。印象としてはまだまだ序章に過ぎないと思わせるからだ。はたして彼らの今後の物語はどう変遷していくのか、新たな登場人物は現れるのか、括目して次作を待ちたいと思う。
それにしても、ラストの清々しさは何とも言えない余韻を残す。それだけでも一読の価値はあるだろう。

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