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ミステリの祭典

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ロンドン幽霊列車の謎

作家 ピーター・キング
出版日2011年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2015/11/25 19:27登録)
(ネタバレなしです) ピーター・キング(1922年生まれ)は2003年以降作品を発表せず、年齢的にも引退したかと思いましたが2008年に非シリーズ作品の本書を発表しました(今度こそ最後の作品みたいです)。ヴィクトリア朝の英国を作中時代にして洗練された筆致で描いています。いきなり人間消失の謎で始まりますが第1章で明かされたのは脱力もののトリックでした。その後も音だけで姿の見えない幽霊列車や蛙の化け物など、まるで島田荘司が好みそうな謎が登場しますが演出はあっさり目です。前半は殺人犯探しの本格派推理小説風プロットですが後半は冒険スリラーに転じてサスペンスがどんどん高まります(しかし犯人探しは主目的でなくなってしまいます)。終盤以外は派手なアクションは控え目ですが、起伏に富んだストーリー展開でぐいぐい読ませます。

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