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ミステリの祭典

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第四の闇

作家 香納諒一
出版日2007年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2015/11/10 23:15登録)
香納諒一は『心に雹の降りしきる』しか読んでいませんし、『幻の女』も似たタイプらしいので、本作もハードボイルドだろうと思っていたのですが…それらしい暴力シーンで幕を開けるものの、その後はサイコ・サスペンスっぽい展開で、驚かされました。何しろ、第1章タイトルどおり胴のない死体が発見され、さらに同じような殺人が以前に2件起こっていることがわかる、というのです。
胴のない理由は、『刺青殺人事件』的なアイディアとは全く違いますが、それなりに感心しました。また、事件の本筋とは無関係なある登場人物の異常な行動が明かされた時には唖然としてしまいました。その直後の派手な殺人アクション・シーンまでは、かなりおもしろく読めたのですが。
「私」と行動を共にするジローの最終的な扱いには、そんな必要があったのか少々疑問でしたし、ラスト・シーンはさすがに言い訳に過ぎないんじゃないかと思ってしまいました。

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